早いもので2014年も残り1か月程になりましたが、ここ数日で消費増税の延期決定や衆院解散など、政局はここ数年恒例の様相を呈しつつあります。平成27年度税制改正もどうなることやら・・・。
その一方で、来年からの相続税改正を受けた相続関連の新聞記事や特集、各種セミナーは益々盛況で、この数か月”相続”、”贈与”の文字を目にしないことはないほどです(1~2年前とは大違いです)。
私も仕事柄それらの記事には当然目を通しますし、セミナーも幾つか参加・聴講しています。確かに記事に書かれている事柄はどれも正しい内容が殆どです(中には読者が間違って理解してしまいそうな表現のものもあります)し、セミナーも相続の基本的事項から専門的なものまで多岐にわたって説明してくれるものが多いです。その意味では、相続に直面されている方も当面は関係がないと思われている方も一度は聞かれてみると良いと思います。
しかし、そこで注意していただきたいのは、それらの記事を読まれたり、セミナーを聞かれただけで、「自分の場合は相続税額が発生しない(あるいは特例を適用すれば発生しない)から申告の必要はない」とか、「相続税対策として贈与税(暦年課税)の非課税枠や各種非課税の特例を活用すれば相続税額を抑制できるだろう」などと決して安易にご自身で判断されないことです。
税法はそもそも条文が煩雑で正確に理解することが難しい上、制度や特例を適用するための要件が細かく決められていることが多く、一つでも要件を満たせなければ適用できません。そのような細かな点まで記事やセミナーでは解説していないことが往々にしてあります。また、相続税額を抑えることばかり考えて財産の次世代への移転・承継を行った結果、ご自身の生活資金が将来なくなってしまっては元も子もありません。
ご自身で色んな情報を収集し、現状を把握・整理することはとても大事ですが、その上で最後は必ず専門家(税理士・弁護士等)に一度ご相談されることをお奨めします。勿論、当事務所でも承っていますので、遠慮なくご相談下さい。