【新元号・令和】 新たな時代の相続とは?

 GW(10連休)の真っ最中ですね。どこかに家族で旅行されている方も多いのではないでしょうか。

 そしてその間に4月で平成の時代が終わり、今月1日から新しい元号・令和の時代が始まりました。

 

 第二次世界大戦の終戦から高度経済成長を経てバブル経済に至った”昭和”

 バブル崩壊から阪神・淡路大震災など未曽有の大災害が度重なった”平成”

 果たして”令和”はどんな社会になっていくのでしょうか?

 期待と不安が入り混じるものの、子供を持つ親しては是非とも平穏・安全な世の中であって欲しいものです。

 

 折しも先日、ある弁護士の方の民法相続編の改正に関する講演を聴講したのですが、その中でとても興味深い話がありました。

 それはこれからの相続の在り方についてです。あくまで一人の弁護士の方の個人的な見解ではありますが、私にはとても共感できるところがありましたので簡単にご紹介します。

 

 今から30年以上前、つまり昭和の時代は平均寿命が今よりもっと短く、被相続人の年齢は70代相続人の年齢もまだお金が必要な40代の相続が中心でしたから、如何に子供達に財産を遺すか(節税するか)ということが重要になりました。

 そして、当時はバブル全盛期で土地や株式も右肩上がりの状況でしたから、預貯金だけではなく、不動産や株式に組み替えて財産を遺す相続対策が色々と考えられ実際に行われてきました。

 

 ところが、平成も終焉を迎えた今は、平均寿命が男女共に80歳を超えて「人生100年時代」と言われるようになり、被相続人の年齢は90代相続人の年齢は60代の相続が主流になりつつあります。

 相続人も60歳を過ぎれば会社を定年退職しようかという時期で、子供がいても既に成人・独り立ちしていてもはやお金はあまりかからなくなっています。

 また、今は多少景気が安定しているとは言え、不動産や株式は値上がりすることもあれば当然値下がりすることもあります。長い目で見れば、日本の人口(特に生産年齢人口)は減少傾向にありますから、将来的に日本の経済は縮小していく可能性の方がむしろ高いでしょう。

 そのような時代に一昔前の相続対策を未だに行っているのはナンセンスで、これからは「子供に財産を遺すこと」を目的にするのではなく、蓄えた老後の生活資金で自らが豊かに過ごして「子供に面倒をかけないこと」を目的にした方がきっと皆円満で、そのための適切な対策をもっとよく考えるべきではないかということを言われていました。

 

 私も日々相続に関連する仕事をしていて、そのような社会環境の変化は認識・実感していましたが、今回の講演を聞いてお客様にアドバイスする対策の内容や選択肢を考え直さないといけないなと改めて感じさせられました。

 皆さんはどう思われるでしょうか?