平成27年分・路線価が公表!

 日刊紙等でもご案内の通り、今週7/1(水)に国税庁から毎年恒例の最新(H27年分)路線価が公表されました。

 (http://www.rosenka.nta.go.jp/index.htm

 

 大方の予想通り、全国平均では前年比0.4%のマイナスと7年連続で下落となったものの、首都圏・都市部では殆どの地点で前年より上昇しており、最高路線価・上位10地点では前年比約3%~14%程度上昇しています。

 兵庫県においても同様の傾向で、県下平均は前年比0.7%のマイナスですが、下げ幅は前年より0.1ポイント縮小しており、阪神間の都市部を中心に概ね前年より上昇しています。

 この傾向は現在の経済状況が大幅に変化しない限り、今後も当面続くことが予想され、今年からの相続税法改正(基礎控除額40%減)と相続財産価額の約半分を土地が占める現状を鑑みると、生前の相続対策の必要性は今後更に増していくものと思われます。

 

 相続財産の評価方法(相続税評価額)については、今後『相続のイロハ』でも取り上げていく予定ですが、

”土地(宅地)”の場合、

 

 ①路線価が付されている地域(市街化区域又は市街化調整区域)においては、

   直近の路線価(㎡当たり) × 実際の地積(㎡) ~路線価方式~

 

 ②路線価が付されていない地域においては 、固定資産税評価額 × 倍率 ~倍率方式~

 

で算定します。①の場合、実際には土地の形状や接道状況等に応じて補正計算しますが、概算価額を掴むだけなら上記算式に当てはめて計算するだけで十分事足ります。

 

 ちなみにこの”路線価””固定資産税評価額”、いずれも国土交通省から毎年3月頃に公表される”公示価格(公示地価)”が基礎になっています。

 公示価格とは、土地の売買価格の参考として毎年1月1日時点の土地の公正価格を鑑定・評価したものですが、路線価はその同年の公示価格の80%程度に設定されています。

 一方、固定資産税評価額は、その名の通り各自治体が固定資産税を課すための基準としてその年の1月1日時点の土地の価格を独自に評価したものですが、この固定資産税評価額はその前年の公示価格の70%程度に設定されています。但し、こちらは毎年算定されるわけではなく、3年毎に見直しが行われるもの(3年間は据え置き)で、今年(H27年度)が丁度その見直しの年度に当たります。

 

 つまり、土地が所在する自治体から毎年4月~5月頃に送られてくる”固定資産税納税通知書(課税明細)”に記載されている固定資産税評価額に、8/7(80%/70%≒1.14)を掛けた価額でも概ねその土地の相続税評価額になるというわけです。

 路線価が付されていない上記②の場合に用いる倍率も、ほぼそれに近似する値(例えば、1.1や1.2等)が設定されていることが多く見られます。

 

 実際に相続が発生した際の財産評価はもっと精緻に行いますが、概算であればこのように”路線価”や”固定資産税評価額”を使って土地の相続税評価額を簡単に計算することが出来ますので、この機会に是非ご自身の土地に当てはめてどれ位の金額になるのか計算してみられることをお勧めします。正に「備えあれば憂いなし」ですね。