気が付けば今年も早11月、今月で当事務所も開業して9年目を迎えました。
来年は区切りの10周年を迎えることになるわけですが、今までと何一つ変わることなくこれからもお客様一人ひとりのご相談に真摯に向き合って誠実に取り組んでいきたいと思います。
さて、先月末に新聞でも報道がありましたが、10月21日に政府・税制調査会で相続税・贈与税に関する専門家会合(第二回)が行われ、現行制度の見直しについての検討がいよいよ本格的にスタートしました。
今後、年末にかけて専門家による具体的な議論・検討が進められて、改正案として取り纏められたものが来年度(令和5年度)の税制改正大綱に盛り込まれる見通しで、早ければ令和5年4月から施行されることになりそうです。
ただ会合資料(財務省)によれば今回の見直しのポイントは、
①相続時精算課税制度の使い勝手の向上
②暦年課税による相続税の贈与の加算期間の見直し
③各種の贈与税非課税措置のあり方
の3つで、昨年辺りから話題になっていた「相続税と贈与税の一体課税制度」の一つの考え方として、例えば”暦年課税の廃止(相続時精算課税に一本化)”といった抜本的な改正まではどうやら踏み込んで行われない模様です。
まあ個人的には予想通りというか、至って現実的な路線(落とし処)だろうと思います。
新聞報道によると、①については現在相続時精算課税制度を選択する時点で税務署に届出を行い、贈与を受けた際は金額の大小を問わず毎翌年申告することになっていますが、贈与額が少額であれば申告を不要にするなど手続きを簡素化することが検討されるようです。
②については現在相続人が相続開始前3年以内に被相続人から贈与を受けた場合は贈与財産を相続財産に加算することになっていますが、その加算する期間を5年~10年間に延長する方向で検討がなされる見込みです。
また、③については現在の住宅取得資金や教育資金、結婚・子育て資金を一括で贈与された際、一定の要件を満たせば一定額までは非課税となる措置を近年の利用状況等を鑑みて縮小・廃止する方向で検討されるようです。
いずれにしても今回の見直しは、今までもしくはこれからの相続対策に多かれ少なかれ影響する内容になることが予想されますので、今後の検討状況をしっかり注視していきたいと思います。