最近ある年齢以上の女性の間で”卒婚”が注目されているそうです。皆さんご存知ですか?
”就活”や”終活”と同じく省略言葉(当て字)ですので正確な定義はありませんが、「結婚を卒業する」ということを意味して用いられているようです。
一昔前に”熟年離婚”という言葉が流行り、社会問題の一つとしても取り上げられていましたが、これは文字通り長年婚姻生活を続けてきた夫婦が子育ても一段落した後、熟年(60歳~70歳代)になってから離婚するというものでした。
これに対して、背景・環境は非常によく似ているのですが、卒婚はその何歩か手前、つまり婚姻関係を解消してしまうのではなく、結婚(夫婦)という関係を持続させたまま各々が自由に自分の残りの人生を楽しむといった一つのライフスタイルなんだそうです。
例えば、現役時代は共働きで東京近郊に子供と共に暮らしていた夫婦が、子供が社会人として独り立ちしたり、夫婦いずれかが定年退職を迎えたことなどを契機に、夫は以前から憧れていた田舎での自給自足の暮らしを実現するために地方へ単身転居し、妻は昔からの友人との繋がりや便利な生活を求めて東京近郊での生活を続けるといった具合です。
でも離れてしまったからといって一切会わなくなるわけではありませんし、日々のコミュニケーションが全く無くなるわけでもありません。
携帯やパソコンの電話・メールだけでなく、今はLINEやFacebook等のSNSも活用して、一緒に暮らしていた時よりもむしろ頻繁に連絡を取り合っている夫婦が殆どだそうです。そこがやはり一昔前の”別居”とも異なります。
こういったライフスタイルを選択される方が数年前(2014年頃)から徐々に増えています。
確かに、事情はともあれ長年連れ添ったご主人と実際に離婚するとなると、財産分与や年金分割等の問題で女性の方が経済的に不利になることもまだ多く、ご主人の財産に対する相続権も当然喪失してしまいますから、離婚を決断するには相当の勇気と覚悟が必要になります。
それに比べると、卒婚にはそういったマイナスの側面があまり見当たらないため、女性にとってはかなり魅力的な選択肢に映るかもしれませんね。
実は我が家も3年程前(奇しくも2014年)から東京と神戸で妻とは離れて生活をしています。
勿論、当時は”卒婚”なんて言葉はありませんでしたから、そんなことまで慮って行動したわけではありませんが、今から思えば我が家は流行の最先端を奔っていたようです(笑)
このようなライフスタイルや考え方には賛否両論があると思いますが、大切な事は当事者である夫婦にとってどちらがよりお互い生き生きとして幸せでいられるかであって、家族や周囲に負担をかけない限りにおいてはあっても良い一つの夫婦の形ではないかなと私は思います。